MSX museum
MSX戦国武将伝
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日本戦国パソ時代

そう、戦国時代末期、バブル景気と相まって各地の武将がローカル規格の旗の元、名乗りを上げ、そのほとんどが天下統一を夢に戦国の世に消えていった。
「不慈通」「紗亜府」などを抑え「獲井伊椎」 がついに全国統を果たす。
しかし、それも束の間、 1992年外来から来きたる「今拍」 「出瑠」などの軍勢に圧されるまで続いた。(「撃矢洲」戦術による)
 そんな戦国時代を生きてきた高貴な8ビット武将「MSX」、21世紀を迎えようと世界の有志によっていまだ勢力が維持されている。

誕生の巻
1983年アスキー(取締役/西和彦)による統一規格パソコンが発表されました。名付けて「MSX」 、メーカーという隔たりを無くし た異業種からの提案でした。生活に密着したパソコン「ホームコンピュータ」とも呼ばれました。
システムソフトウェアを開発したマイクロソフトMSと無限大という意味でXをという意味らしいです。
当時、マイクロソフト社製のインテル向け16ビットOS(MS-DOS)のアジア向け代理店としてアスキーが営業していた。
先日発表されたマイクロソフトのX-BOXが他人事に聞こえないのは私だけではないでしょう。あくまで、ネーミング上の話ですが・・

MSX1の巻

マイクロソフト社製のBASIC言語(MSX-BASIC)ソフトウェアを搭載した低価格な8ビットパソコン、カセット形状のROMカートリッジで安易に拡張できる便利な面を持っていたため、独自の特徴と相まってシェアを伸ばしていきます。
多くの家電メーカーを取り込みオリジナルなMSXが多数発表されます。ビデオ編集に強いものやDTMをこなしてしまうもの、ゲームに特化したもの、限りなく安いものなど豊富でした(1万円台から数十万まで)
カシオからはゲームコンピュータを意識した脅威の\19800の低価格MSX、ヤマハからは作曲できるDTMなMSX、松下からはビジネス向け高級MSXなどがある。
(三菱ビクターソニーサンヨーキャノン富士通東芝日立パイオニア、日本ゼネラル、キョーセラ、フィリップス、大宇、サムソン、ゴールドスターなど)
また、CP/M完全互換をはじめ、MS-DOS1.25互換を持つMSX-DOSをはじめ、他の8ビットパソコンから十分先んじた機能性も持っていました。
海外にも飛び火し世界各国の主要メーカーから発売されました。

MSX2の巻
1985年5月に上位規格「MSX2」が発表されます。
しかしながら、パソコンなのかゲームなのかと中途半端な立場にあったMSXを揺るがす存在がありました。それがかの有名な任天堂「ファミコン」(\14800/ROMは\5000前後)でした。
ユーザーの多くをゲーマーが占めていたMSXからファミコンへ流れていきます。
しかし、パソコンだからこそできるソフトや質の高いゲームを望むゲーマー達もいました。コナミから発表されるゲームが次々にヒットしていきます。MSX2の高機能で生まれた多くの名作ゲームがこのころ生まれます。(ぷよぷよパロディウスメタルギアなど)
また、多くの周辺機器や高級MSX2(\258000など)なども発売されます。特に多様化していた時期でもあります。
松下からアシュギーネをキャラクターにした大ヒット機FS-A1(\29800)を発表します。
1985年12月、快挙を成し遂げます。遂に100万台を突破します。松下電器、ソニー、サンヨーから次々に新機種が発表されました。
MSXが最も花盛りだったころです。
MSX2+の巻
しばらくして、これらの状況を打開すべく、MSX2+が発表されます。
ビデオ機能の強化が主な機能、漢字機能もとりあえず追加といった程度です。FM音源はオプションであるが、基本的に内蔵している機種がほとんどだった。
(このタイミングがヤバかった・・これでは、もう一度「竹槍」で戦えというものです)
すでに、ライバル視されていたゲーム機も世界大戦の真っ只中、任天堂の「スーパーファミコン」日本電気NEC「PCエンジン」セガエンタープライズ「メガドライブ」の三つ巴の戦いの最中です。MSXなど眼中にありません。
一方、パソコン業界では日本電気NECのPC9801PC8801がほぼ天下統一を済まし、ワープロだゲームだと花盛り・・
どっちつかずのMSXはここをさかえに衰退していきます。
衰退の巻
もうハードメーカーは、松下電器(A1-MSX)とソニー(HITBIT-MSX)、サンヨー(WAVY-MSX)だけです。
松下電器は、ワープロ内蔵に特化したMSX、ソニーはクリエイティブ系MSXを販売していました。廉価なサンヨーのMSX。なぜか、発売されるソフトタイトルはほとんどMSX2向けのもの、結局MSX2+向けのソフトは数本だけという結果になりました。
ゲーム業界の方では、遂に任天堂「スーパーファミコン」が覇者になる。スクエアの「ファイナリファンタジー」やカプコンの「ストリートファイター」などの有名なゲームが発表される。
MSXturboRの巻
遂に念願の生死をかけ、天草四郎のごとく新規格「MSXturboR」が発表されます。松下電器による発売で、「FS-A1-ST」
オリジナルチップRISCを採用した16ビットMSX、完全下位互換を保ち多くの機能を内蔵したあまりに高機能パソコンでした。PCM音源や完全な漢字のサポートスロット配置の規定など
MSX-VIEWというGUIインターフェースも先んじて発表、素晴らしいMSXだった。
天下統一にあと一歩といった感のあったPC9801がまだi80386の時代、処理速度的に十分届く範囲であったが、しかし、あくまでゲーム路線のMSX。 「スーパーファミコン」はもはや雲の上・・。
松下電器の「FS-A1-GT」という機種で最後となった。

最後に

いまだ、多くのMSX好きユーザーさん達が、国内だけでなく世界的に活動をしています。
SCSIインターフェースやイーサ端末にしたりと、さまざまなアイデアや機器が研究開発されています。
純粋に研究開発しているMSXユーザーもいれば、とことんゲーム好きなMSXユーザーの方もいます。それも日本だけではありません。
また、有志達によるイベントも多く開かれています(なんとアスキー西和彦さん出席)
残念ながらパソコン業界は大きな変革期にきています。以前のようなMSXの活動は非常に難しくなってきています。
日本とそして世界のパソコン業界に多くの足跡を残してきたMSXがなんらかの形で、現代のPC産業に影響を与えることができないか考えてみたいと思っている。

 
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